活字中毒:創世記機械

創世記機械 (創元SF文庫)

創世記機械 (創元SF文庫)

棚からひとつかみ、昔読んだものを引っ張り出してみました。
ときは現在であり、近未来、というのは出てくる年代は21世紀初頭だけど、月面に研究施設があり、核融合炉、バイオコンピュータが実現している世界だから。
一人の科学者が、米国の政府施設に徴用されていたが、そこの研究とは関係ない論文を発表しようとし、施設側から拒否される。彼はその研究成果を月の友人に送る。研究に戻った彼のしらないところでその論文は波紋を読んでいた。高い次元の存在とその次元を通る物質が3次元世界では出たり消えたりする現象なのだった。
ある日、やっとのことで彼を探しだしてきた外部の科学者からの情報でそれを知る。一方、政府施設側も重要性に気づき、軍事利用のために研究を進めさせようとする。
私設を辞した彼は、連絡を暮れた科学者、妻と共に国際研究施設で研究を発展させる。
研究の第2段階施設「マーク2」建設で、軍事施設側から納入業者への圧力などの妨害が入る。国際研究施設幹部と米国上層部との交渉で妨害は消え、費用の援助も得られるが、やはり軍事転用への圧力がかかる。
この研究を使うと、瞬時に特定の場所の情報が得られ、そこを破壊することができる。しかも、破壊された方はどこから攻撃されたかもわからない。
実証実験のあと、政府は反対勢力に最後通牒を突きつけた。それが無視され、装置が作動した。反対勢力の軍事衛星は全て消え、ミサイルも目標に届く前に全て消滅した。さらに、、、あとはネタバレになるので省略。
エピローグは平和利用されている未来。
究極の兵器ができると、武器も軍人もみんな御用済みになっちゃうんだ。