活字中毒:アイスクリン強し

アイスクリン強し (講談社文庫)

アイスクリン強し (講談社文庫)

「モノレールねこ」の作者。
時は明治中頃、場所は東京は銀座。登場人物は明治維新で職を失った旗本のせがれ達、一人は両親の死後、外国人居留地で育ち、西洋菓子の店を開こうとしている皆川真次郎、通称ミナ。
他の仲間は、警察官になって、通称「若様組」と呼ばれている。
その他にマドンナ、実業家(成金)のお嬢様、小泉沙羅。
ある日、ミナと若様組に不思議な手紙が届く。
「自分を探し出し、欲しいものを当てて欲しい」
これはさておいて、西洋菓子店を開くための費用集めに居留地のパーティ(実はテスト)の料理と菓子を引き受けたミナ、お家騒動に巻き込まれた浪人の騒ぎ、警視総監のただ一人の肉親で民権運動家探し、コレラ騒動とか、次々と問題が起きていきます。
各章にはそれにちなむ西洋菓子の名前がついています。
本には、それぞれの西洋菓子の作り方レシピのついた小冊子もはさんでありました。
さて、最終的には不思議な手紙の謎もわかります(が、ちょっと不自然ですし、唐突な感じもします)。
ミナと沙羅のロマンスがどうなっていくのかなという興味もあります。(当人同士の自覚があまりないとか、身分違いとか、定番の状況は整っていて)
なんとなく続編が作られそうな感じ。
実際には、前日譚がハードカバーで出ています。(文庫じゃないのは辛い)