活字中毒:灯籠

灯籠 (ハヤカワ文庫JA)

灯籠 (ハヤカワ文庫JA)

この本は宝物の一つだと思いました。

盆の時期は、あの世と現世の間の垣根が少し低くなります。

主人公は、東京に残るという恋人と別れ、実家のある広島に新幹線で帰るところ。
駅につくまでのまどろみの中、2つの物語があった。

  • 灯籠:交通事故で両親をなくしたしょうがくせいの"灯"(ともり)は、山の中のお墓へ参る途中に青年"正造"に出会う。毎年、正造と会うのが灯の生きがいとなり、辛い学校生活も平気になった。そんな灯を見つめる同級生の"清水"がいた。
  • ララバイ:私は代用教員として母校に赴任した。昔、学生の頃複製を作った鍵で校舎の屋上に上がり、同級生だった"ショーコ"と久々に出会った。

盆は死者が帰ってくる─そんな季節。
これが最後の一行です。