活字中毒:無人島に生きる十六人

無人島に生きる十六人 (新潮文庫)

無人島に生きる十六人 (新潮文庫)

明治30年頃の実話を元にしたもの。
著者が船長から聞き書きをするという体裁で始まります。
なので、ちょっと文章としては古くて固めなので、エンタテイメント性は少ない。

明治時代の真面目な人達が、難破してたどり着いた無人島で力を合わせ、16名誰一人犠牲にせずに生還した物語。

帆船で太平洋に乗り出していたんですね。
当時なので、漁の中に、ウミガメをひっくり返して捕まえて食うってのもありました。
(こんなんでウミガメさんの数は減っていった。でも、「銀河鉄道の夜」にもラッコの毛皮って記述があるから)

無動力なので、風がなくなると手足を引っ込めた亀さん状態、海のうねりにのせられて暗礁に激突、沈没してしまう。

沈没するまでにとりだせた僅かな食料と機材、伝馬船1隻でかろうじて無人島にたどり着く。
船長は長丁場になることを見越して、皆に説明して体制を構築する。
その後、近くに流木のある島を見つけたり、病人が出たり、あざらしと友だちになったり。
実際の生活は3ヶ月くらいだったらしいけど。

ほんとに真面目な人達の物語でした。