活字中毒:彷徨える艦隊"旗艦ドーントレス"

彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス (ハヤカワ文庫SF)

彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス (ハヤカワ文庫SF)

舞台は宇宙、だけど中身は帆船時代の大西洋って感じの軍隊ものです。
敵との戦闘で乗艦の最後に脱出ポッドで逃れたギアリーは、100年後、敵地の中で窮地を迎えた艦隊に救出された。
100年の間に、ギアリーは死亡認定され死後特別昇進で大佐になり、自らを犠牲にして仲間を救った「ブラック・ジャック・ギアリー」として神格化されていた。
一方、敵星系「シンディック」との100年にわたる戦いは双方に多大なる疲弊をもたらしていた。(消耗戦の果て、艦隊の主力は新造船と経験不足の若い司令官達、戦いの仕方は単なるけんかみたいに行き当たりばったりで、捕虜の人権も考慮しないならずもの集団に近くなっていた。
物語は、和平交渉の失敗で上官達が殺され、結果として最高位になったギアリー大佐が艦隊司令官を引き受けることになる。神格化された自分に陶酔する部下達、特進の司令官に反発する部下達、同盟国の艦船を束ねる副首相、複雑な人間関係の中、母星系への帰還に旅立つ。
ギアリーは100年前の人間だが、頭には「失われていた」戦い方、戦略が詰まっている。艦隊をとりまとめ、軍人(人間)としての誇りを取り戻すべく孤軍奮闘する。
まず、初戦は薄氷の思いで勝利したけど、という感じでシリーズものになりそうですねぇ。(解説を読んだら、シリーズ化されているそうです)