活字中毒:禅銃

言ってみれば、アメリカの日本かぶれが書いた誤った日本観に基づくSF。
評価できるのは、ユニークな物理原則を生み出してそれをベースにしたところ。
それだけかも。
舞台は退廃した未来の宇宙戦艦と見捨てられた地球が中心。
遺伝子改造のタブーなんてなくって、知性化改造された動物たちと人間(純粋な人間は少ない)が一緒に暮らしている。
地球の博物館で、人間と全ての猿の遺伝子をミックスしたキメラが脱走する(なんとなく、孫悟空のイメージかな。表紙の絵を見ても)。脱走する時に兵器博物館から、木製の銃「禅銃 The zen gun」を持ち出す。この銃は思った相手に好きなだけのダメージを与えられるビームを出す(これはコブラのサイコガンですね。ビーム曲がるし)。キメラは人や動物たちを手下に従え、のし上がろうと宇宙を目指す?手下の中には、命を救った「小姓」と呼ばれる男がいた(ここは忍者でしょう)。
宇宙船では何となく乗り込んだ一般人、一般動物たちがらんちき騒ぎをしている。なにしろ、飲み物の中はもちろん、空気中にも麻薬が入っている。ある星系の征服の途中で、宇宙のほころびの対応に出かけることになる(ここで独自の物理原則が活きるのだ)。宇宙船が地球に寄ったときキメラ達と宇宙船の船長達が出会う。
戦闘で破損した僚船を海賊が修理して接近し、艦隊が乗っ取られたり、政府が豚に乗っ取られたり。
結局、「禅銃」は船長から小姓の手に渡り、混乱は一応の決着を見る。
なんて、良くわからない話だよね。