活字中毒:ふわふわの泉

ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)

ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)

読んでいて、同じ著者の「南極点のピアピア動画」とかレギオンシリーズに比べて、かなり荒削りな作品だなと思っていたら、ちょっと初期の作品だったのです。

高校の化学部にいる化学フェチ?の女の子「泉」が主人公。
学園祭の出し物を作っている時の突然の落雷で、思わぬものができてしまった。
それがふわふわ。
微細な泡で中は真空。空気より軽く、ダイヤモンドより硬い物体。

化学部の「昶(あきら)」の祖父がやっている潰れかけの鉄工所のおじさんたちと試験プラントを作り、会社を立ち上げ、泉は社長になる。(昶はフィクサー的に暗躍)

ふわふわのような物質が実際にできたら、どんなことができるかな。
安全な飛行船ができ、空中に家を建ててさまよう村が出来、ついには宇宙へのリニアモーターカタパルトができる。

その少し前に地球外生命体が現れたんだけど、それがこのカタパルトにどう絡むのか。
「南極点のピアピア動画」につながるプロットがあり、作者は違うけど「フリーランチの時代」にも似た雰囲気が漂う作品です。