活字中毒

歌う船 (創元SF文庫 (683-1))

歌う船 (創元SF文庫 (683-1))

普段、SFは「早川」が多くて、「創元」はあまり気にしていませんでした。
これも、どちらかというと古典に入りますね。
でも秀逸。
生まれつきの障害で、そのままでは生きていけない赤ちゃんは、生き延びるためにチタニウムのシェルに入れられ、専門教育を受けます。
そして、16歳になって、彼女は「宇宙船」になりました。
物語は、「宇宙船」である彼女と、「筋肉」と呼ばれる同乗者とのかかわりを通じて、彼女が成長していく過程を描きます。
未来の話として、彼女に対する偏見をもつ人は多くはなく、対等に接しています。(でも、頑強な偏見を持つ人もいる)
だから、この話はSFというよりも人間の話でしょう。