活字中毒:海の底

海の底 (角川文庫)

海の底 (角川文庫)

6/30に読んだ「クジラの彼」の中に含まれる番外編2編の本編に当たります。
春の横須賀米海軍基地のお祭り、たくさんの観覧者の中に海から這い上がってきた無数の1〜3mの巨大エビが襲いかかる。
停泊していた自衛隊潜水艦きりしおにも退去命令が出、ほとんどの乗員は上陸した。
そんな中、逃げ遅れた子供達を最後に退去する艦長と2人の幹部見習いが助け出し、、、
艦長が犠牲になり潜水艦の中に逃げ込んだ。
潜水艦の中には、複雑な背景を持つ子供達と2名の幹部見習いの救出されるまでの共同生活が始まる。
外では、いつもの通り動こうとしない中央官僚と、動けない自衛隊、有効な武器もないまま市民の救出を遂行し犠牲を出し続ける警察、機動隊。
横須賀を爆撃することで事態を終了させようとする米軍。
警察側幹部、県警の明石と中央の烏丸は、いかに事態の悪化を防ぎつつ自衛隊に引き渡すかを画策する。それが警察の恥となっても。
警察は、インターネットの掲示板(軍事オタクの協力を取付)まで使い米軍の動向を監視する。
巨大エビの正体は、やはり警察が見つけた海洋研究所の研究者によって明らかにされた。
事態が同時進行的に進んでいき、臨場感がすごいです。