活字中毒

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

若干ネタバレもあるかもしれませんが。
自己増殖し人類を破滅させる為に攻撃してくる機械生命体"ET"。
未来は絶滅しかけていた。
"ET"に対抗するために作られた人工生命体"メッセンジャー"。
"メッセンジャー"はただの有機機械ではなく、生命と自己を持つ人間に限りなく近い存在。
"メッセンジャー"/"O"は、トリトンの人工都市である女性に会い、愛し合い、その意志を受け継ぐ。
戦いの中、"ET"は時間を遡航し、過去の人類に対する攻撃を始める。
対抗して時間をさかのぼる"メッセンジャー"達。
様々な時代での戦いの旅に新たな時間の枝が生まれる。
戦いは"ET"だけが相手ではない。
戦いの意味を理解しないその時代の人々と、国々の利害の対立。
新たな時間軸で生み出される"ET"と"メッセンジャー"達。
"メッセンジャー"/"O"は、古代日本にたどり着き、卑弥呼と遭遇する。
そして、最後の戦いに、、、
最後はちょっとうるうるきます。
系統としては、アシモフの「永遠の終わり」に近いものがあります。
永遠の終り (ハヤカワ文庫 SF 269)

永遠の終り (ハヤカワ文庫 SF 269)

読み比べてみると良いかも。
でも、「時砂の王」はもっとスピード感がある。テーマは深くなっている。
今ある愛を救おうとするのではく、未来において喪われてしまった愛を全うするものだから。