活字中毒:雷撃深度一九・五

雷撃深度一九・五 (文春文庫)

雷撃深度一九・五 (文春文庫)

第二次世界大戦末期、日本の敗戦間際、広島・長崎に続く第3の原子爆弾の阻止、潜水艦もの、、、映画化される原作、と、「ローレライ」との共通点が多くあります。
ローレライ」は「ローレライ・システム」や戦利潜水艦「伊五〇七」という架空の兵器をベースに、日本を裏切る軍人の策略とそれに翻弄されつつも任務を果たしていく乗組員達を描いています。
「雷撃深度一九・五」は実在した潜水艦「伊五八」、巡洋艦インディアナポリス」を中心にフィクションを織り交ぜながら架空の戦いを構築しています。
史実でも潜水艦「伊五八」は巡洋艦インディアナポリス」を撃沈していますが、人間魚雷回天が使われ、乗組員が帰らぬ人となったそうです。
フィクションでは、回天乗組員の喪失は無いことになっています。
潜水艦がからむものは、「サブマリン707」からの刷り込みがあり思わず読んでしまうのですが、どうしても違和感を感じてしまいます。言い出すと長くなるので要約すると、結局は戦争、人殺しの世界で、いかに美化しても異常な世界なのだから。