活字中毒:幻惑の死と使途

幻惑の死と使途 (講談社文庫)

幻惑の死と使途 (講談社文庫)

老いたマジシャンがテレビ収録中の脱出マジックの中で殺される。
そして、葬儀の最中に遺体が忽然と消えてしまう。
マジックのからくりを作っていた鉄工所の主人も殺されていた。
マジシャンの弟子は男性2名と愛人でもあった女性1名。
女性の弟子がマジシャンが次にやるはずだったビル爆破からの脱出マジックに挑戦する。
脱出は成功したが、その現場でまた殺されてしまった。
複雑な人間関係とマジックという種と仕掛けの世界が捜査を難しくする。
N大助教授の犀川と教え子であり婚約者の西之園萌絵がその謎に挑む。
読む方としてもマジックがあるので脳内ビジュアライズが大変です。
でも、作者は元地元N大学助教授だったので、舞台は愛知県那古野市という名古屋のVirtualCity。
少し名称は変わっていてもどこかはわかってしまうので、わかりやすいですね。
たとえば最初の殺人が起こる滝野ヶ池緑地公園はたぶん牧野ヶ池緑地公園(場所)のこと。
あと、老マジシャンと弟子の女性マジシャンということからか、解説はプリンセス天功です。
これもなかなかよい文章と思っています。